2013年9月3日

中部ツーリング

なんとか取得することができた5連休を利用して、Twitterのフォロワーである神楽坂つむり氏、キャプたん氏と中部ツーリングを楽しんできた。
あまりにいろいろなことがありすぎて、いつもの様に順を追って記事にするのが困難極まりないため、今回は少し違った方法でまとめることにする。
全部書いていくんじゃなくて、振り返ってみた時に印象に残っていることだけをそのまま書き出してみようという。
何を言ってるのかよくわからないと思うので、とりあえず書きます……

※なお、具体的にどんなツーリングだったかについては一緒に行った2人のブログを参照して頂ければわかると思う。
(というか先にそっち読まないと断片的すぎて意味がわからないもよう)
つむりブログ→http://hagure5.blog3.fc2.com/
キャプたんブログ→http://kamosio.blog.fc2.com/


今回の装備。これで全部。
登りばっかりのコースで瀕死になることはわかりきっていたので、極限まで荷物を減らす。
背負うとかもってのほか。夏だしどうにかなる。
ツール缶には携帯工具と予備チューブ。
サドルバッグには輪行袋(コクーン)、下着(パンツ1枚)、ハンドタオル1枚、リチウムイオンバッテリー、日焼け止め、コンパスとか気圧計とかついてるガジェット、ウィンドブレイカー、補給食。
ジャージの背中ポケットに財布、iPhone、コンデジ(XZ-1)。
ちなみにジャージはRapha。おねてぃジャージと迷ったけど、背中ポケットの具合と快適性を優先しての判断。


■0日目 ~金沢への旅~
<概要>
今回は金沢集合。わりと時間のあった私は、金沢まで行くのに長野を経由して木崎湖をうろうろした。
木崎湖から先、糸魚川駅までは自走。そこから再度輪行して金沢へ。2人と合流。


木崎湖。青い……
何度訪れてもいいところだなあと思った。みずほ先生はどこだ。
ちょうどお盆時期なのと、翌日が花火大会だってこともあってキャンプ場はものすごい賑わい。
湖水浴したいぃいいいってなったけど、後のことを考えて自重。いつかしたいな。
混んでるので早々に撤退。忙しそうだったしとっちーさんにはご挨拶できなかった。


縁川商店(Yショップニシ)さんにてお昼ごはん。
小石のうどん、と命名された卵入りカレーうどん。これが最高に美味しいんだなあ。
汁も残らずペロリと平らげる。
それからりんごおやきも美味しかったんだ。通常の商品ではなくて期間限定で登場するりんごおやき。
以前食べたときに感動したのでまた頂いたってわけ。お土産に持って帰りたいくらいだった。
なお店員さんと歓談するコミュ力はないもよう。

糸魚川駅までの道、ほとんどずっと下りで、信号も3回くらいしか引っかかってない爆走ルート。
距離はたしか65kmとかそんなもんだった気がする。
ただトンネルが多くて、アスファルトに突然穴が空いてたりしたから注意深く走る必要がある。
しかも途中、ものすごく下ってるトンネルがあって、漕いでもないのに50km/hオーバー。
トンネルの中でこの速度、初体験すぎてホント怖かった。
でも登ってるよりはよっぽどマシなので興奮しながら突き進む。
あまりにも止まらずに走れるもんだから、途中からTT気分になって、予定より大幅に早く糸魚川駅に到着した。
めっちょ楽しかった。
ちなみにこの時が人生で初めて日本海を見た瞬間となった。うぉおおおおおって言ってた。うぉおおおおお。

初めての北陸本線、特急はくたか号に乗って金沢到着。
駅前の構造物すげえええええってなった。なんとなく京都駅を彷彿とさせる。
先に到着していたキャプたんと合流するも、数日前にコミケで一緒だったため久しぶり感はなしw
もはやオフ会的な雰囲気も皆無である。
でもこうやって仲良くなれて嬉しいなって。


金沢で食った刺し身が美味すぎて震えた。
さすが日本海の幸……!
ちなみにお店選びに際しては泊まったビジネスホテルのおっちゃんとおばちゃんにオススメを聞いた。
このお二人(たぶんご夫婦)がすごく気さくで優しくて、ホテルの部屋が広かったのも相まって私の中では三ツ星ホテルに認定。しかも低価格。
選んだつむりんマジありがとう。

翌日に備えて0時前に就寝。(:3[__]


■1日目 ~金沢→白川郷~
<概要>
金沢から湯涌温泉を経由して白川郷まで走る日。
距離はそうでもない。でも山。

むくり。つむりんもう起きてる。なるほどホテルだ。
朝7時には出発ということでちゃちゃっと準備して輪行状態解除。
出発直前にホテル前で恒例の質問攻めにあったけど、ほぼつむりんに任せっぱなし()
出、出た~~~www複数人でいると必ず自分以外の人だけ話しかけられる奴~~~www
基本的に知らない人に話しかけられることがないという謎のスキルを持っている私は隅っこで気配を消す。
負のオーラでも出てるんじゃないか。


湯涌温泉の稲荷神社につむりん降臨の図。
わりといい感じに撮れたと自分で勝手に思ってる写真だったりする。これが才能(*ノノ)
ごめん。
アニメ「花咲くいろは」の舞台としても有名なこの温泉街。
決して大きな規模ではないけれど、雰囲気はすごくよかった。
聖地に訪れて、もう一回ちゃんと全話見ないとなって心を新たにしたところだったりする。
ちなみに金沢駅から湯涌温泉までのほんのすこしの距離で、「あ、これはダメだな」って確信したのも記憶に残っている。
なにがって、登りで致命的についていけないってこと。わかってたけど。_(:3ゝ∠)_


柚子乙女。地サイダーね。
これがまー美味しかった。柚子の香り爽やか。午前中とはいえ真夏だしサイダー最高!
第三回ぼんぼり祭り仕様のラベルなのもよかった。かわいい。
キャプたんが頑張ってラベルを剥がして持って帰ってた。なおその後紛失したもよう。(見つかったのかな……)


いろは館っていうグッズとか交流ノートとか置いてある建物に飾ってあったタペ。
欲しすぎた。やばい。
あとあれ、キャラの等身大パネルもあって、それ見てムラムラしてた。やばい。
みんちのスパッツやばい。

10時くらいには湯涌温泉を後に。
そっから先、山岳コースの始まりである。
この先、旅が終了するまで平地は殆ど無い。本当に登ってるか下ってるかのどっちかだけになる。
そしてさっそく私、盛大に遅れ始める。
もっと速く走りたいのは山々なんだけれど、山々のせいで無理。
ごめん。
ヒィコラヒィコラ……


ダム!
刀利ダムだったっけかな。
山とダムの相乗効果でやまびこがすごかった。
3人してアホみたいに叫んでた。うるさかっただろう'`,、('∀`) '`,、

途中、人喰谷とかいう名前からしてアウトな場所があって、そこは本当に辛かった。
クソ暑い中、日影は殆ど無い、ひたすらまっすぐ登っていく精神的に非常に過酷な場所。
斜度もそれなりにあるから私は7km/hくらいで登ってたはず。駆け足レベル。
もう自分のことだけで精一杯だったんだけど、後ろにいたはずのキャプたんがいつの間にか消えていた()
どうやら脚が攣っていたらしい。あるある。


なんとか白川郷にたどり着いたけど、わりと満身創痍。
山菜うどんが染み渡る。
本格的な登り初日だったのもあって辛かったのは当然あるんだけど、寝不足がかなり効いていた。
そもそも家を出発する前から、夜勤サイクルを昼型に戻せていなかったという事情があり、累積された睡眠不足がここにきて大きなダメージに。
夜型→昼型への移行を1日だけで行えるかどうかはわりと運任せというか、そのときのいろんなコンディションに左右されて、どうしてもちゃんとコントロールできないのだ。
この時は運悪く調整できないパターンだったというわけ。つらみ。
そんな体調だったもので、せっかく白川郷に到着したというのに猛烈な眠気に襲われる始末。
さすが世界遺産になるだけのことはあるすばらしい景色が広がっていたものの、目は虚ろ。
正直このとき何をしていたのか細かいところが思い出せない()


でもこのソフトクリームが美味しかったのは覚えている!!!
疲れた体に甘いもの。しかも暑いからね、ソフトクリーム最強すぎる。
急速に溶けていく恐ろしいやつだったけれど、その速度を凌駕する圧倒的な速さで完食。
ソフトクリーム発明した人は私の家に来れば表彰します。
あとなぜかこの一帯、どこにいってもソフトクリームが売ってあった。まあ、売れるんでしょうね。

なんかいろいろあって、夕立を浴びたりしながら、温泉に行きました。
立ち寄り湯があるなんて素晴らしい。
温泉に入ると一気に疲れが取れるんだよね。ここで結構目が覚めたような気がする。
風呂あがりには当然の牛乳一気飲み。
うれしいことにつむりんの奢り。優しさに濡れる。

この日の宿泊場所はテント。
現地の郵便局に局留めで送って、その場で受け取る方法でテントを運搬。
いかに剛脚つむりんと言えどもさすがにテント載っけて走りはしないだろうと思っていたので、この方法は予想通り。
現地に辿りつけなくなるとわりと面倒なことになるけど、その可能性が低い場合にはかなり有効な手段だと思う。
テントは道の駅に張った。
他にもバイクツーリングしてる人とか、車の人とか、数人テントを張っていたのでビクビクしないで済んだ。

なぜテントに入るとTwitterが捗るのだろうという議論が始まりそうなくらいTwitterが捗ったけど、さすがに寝る。
和田家っていう合掌造りの中を見学できるところの2階で座ったまま寝落ちしてしまうくらいに眠かった私だけに、もう瞬時に寝た。
布団に比べれば寝心地はよくないはずの野宿にもかかわらず、アラームで起こされるまで一度たりとも目を覚ますことはなかった。
泥のように寝たように死んでた。


■2日目 ~白川郷→乗鞍~
<概要>
白川郷から、予め予約していた乗鞍のお宿への旅路。飛騨高山を経由する。
距離は100kmちょい。獲得標高は3000mを超える。
いよいよ乗鞍岳ヒルクライムの日。
……そのはずだった。今回のツーリングで最も波瀾万丈な一日である。

むくり。アラームで起きた。つむりんのiPhoneだ。
テントだし日が昇ったら勝手に起きるでしょと思って自分ではアラームをかけていなかったのだけれど、見事に起きなかったってわけ。
寝る子は育つと言う。
育ったことなし。
ちなみにつむりんもキャプたんも夜中だか早朝だかに目覚めて徘徊していたもよう。すぐ横に寝てたのに1ミリも気づかなかった。
体に痛みはない。疲れもそこまで残ってはいなかった。


早朝の白川郷。
ひぐらしのなく頃にでは「古手神社」として登場した神社へやってきた。
なんだかすごく独特の雰囲気があって圧倒されたのを覚えている。
居ても立ってもいられないつむりんは何かに取り憑かれたかのように写真を撮っていた。
お参りして今後の旅の無事を祈願。(この後のことを考えると、きっとお賽銭が足りなかったんだな……)

しばらく自由行動ねーってなって、昨日行ってないなと思った方向に一人で進撃する。
そしたらなんか面白そうな橋に出会う。名前は何だったか忘れた()
その橋をニヤニヤしながら渡って、相変わらずニヤニヤしていたら、どうも川辺に降りられそうだなってことに気づく。
自転車を放り出して、ビンディングシューズを脱ぎ、河原を裸足で移動する。
地面には石だらけというか石しかないんだけれど、足つぼ刺激されまくりで朝から健康になった気がする。


ぼっち川遊びなう。ちょー楽しい。
さすがに川の水が冷たい。ジャージ姿だし濡れても一向に問題ないから捗る。
でも10分くらい経ったら特にすることもなくなってとぼとぼ自転車の元に引き返すあたり、ぼっちの限界を感じた次第である。
なお、この時なかなか戻ってこない私についてオヤシロさまの祟りにあったのではないかとの憶測が飛び交っていたもよう。
お盆に一人で川遊びしてたんだからあながち的外れではない。

そろそろ頃合いかなと思って他の2人を探していたら、なんか遠くに自転車乗りが3人見える。
一人分多いのは足音だけで十分なのではないかと思っていたら、まさかのフォロワーさん登場w(私のではなくて2人の)
こーへーさん見参である。(名前だけはたまに見ていた方 @zildjian79590
大分在住のこーへーさんであるが、実家帰省のついでに白川郷付近を走っておられたのだとか。
つむりんあたりとは「もしかしたら会えるかも?」なんて話をしていたらしいが、まさか本当に会うことになるとは。
これだから自転車クラスタは油断できない。
あと、こーへーさんの年齢を聞いてびっくりした。これだから自転車クラスタは(ry
白川郷を離れるまでご一緒させて頂いた。新たな出会いにテンションあがっちゃう。
また、このときのもようをブログに書いてくれた。うれしいー。(帰省4日目(白川郷で出会った仲間たち編


白川郷を一望!
昨日も来ていたところだったけれど、朝の眺めはまた格別だなあ。(昨日のことはあまり憶えてないんだけど)
しばらく写真を撮ったり話したり、集合写真なんかも撮った。こーへーさんありがとう。
緑の中に立ち並ぶ合掌造りをじっくり眺めていたら、昔、小学生時代、自由に好きなことを調べてまとめたノートを提出してねっていう課題があって、そのとき白川郷に関してもいろいろ書いたことがあったなあなんて、そんなことを思い出したりした。
あの課題すごく印象に残ってるし、学ぶことの楽しさを感じたいい取り組みだったんだよなあ。と、今振り返って思う。
いろんな記憶が呼び覚まされた。


XZ-1のジオラマ風に撮れる機能を使ってみたやつ。
おもしろい……!

10時くらいに白川郷を出発したんだっけ?
いよいよ乗鞍に向けて突き進むことに。
しかし山に向かうために山を越えなければならないのだ……!
天生峠とかいう、白川郷からすぐ登りに突入するとこ。
幸いなことに斜度はそこそこ程度。


途中、突然の滝w
調べてもいなかったから全然知らなかったんだけど、これは嬉しい。
3人とも自転車を降りてしばし見惚れる。
離れたところにあるのに細かい水しぶきが降りかかって、実に涼しい。
水って不思議だなと常日頃思っている私。三態それぞれの趣があって、力を感じるし、分子構造も面白いし、ほんとなんかこう、興味深いんだよな。

峠道ってのは得てして焦らしプレイがお好きである。
天生峠はとくにそれが好きだったらしい。
なんとなくそろそろ峠なんじゃないの?っていう雰囲気になってから実際に峠に到着するまでの長さ……
私はもうずっと前からそういう雰囲気には期待しないことにしている。カーブを曲がった先に続く登りに絶望するくらいなら最初から期待しないほうが精神的には楽なのだ()
淡々と、ただひたすら登っていく。ほぼ修行。


結局この峠も標高1290m……
最初からわりとおかしい。ベースがおかしい。

その後、高山市に向けてガンガンと下る。
下り楽しい✌('ω')✌
クソ暑いので、水分の消費量は尋常ではない。
頻繁に自販機に寄っては水を買い、飲んでボトルに補給して、残りは頭からかぶる。
途中からこの行為が快感になりだす。こわい。
基本的に暑さには強い私はそうでもなかったんだけれど、つむりんとキャプたんはかなり参っていた印象だった。
まあしっかり水分とその他もろもろ補給してるし熱中症にはならないかなーとは思っていた。

で、なんだかんだありつつも、ついに乗鞍の麓までたどり着く。
14時とかなんかそのくらいだったかな?
最後のまともな補給ポイントであるデイリーヤマザキにて可能な限りの補給作業。
これから先アホみたいに登っていかなければならない。補給食もすこし多めにサドルバッグに詰め込む。
自販機も十分にあるのかどうか怪しかったから、ウィダーとかのゼリー系も意識的に混ぜる。この辺はミスると死ぬ羽目になるのでしっかり考えたいところ。
いざ乗鞍。

死にかけた。
もうびっくりするくらいゴリゴリ登ってて、それまでの行程でそこそこ消耗していた私にとってはとんでもない道だ。
乗鞍スカイラインまでの分岐点までは一緒にいくよーなんて言っていたつむりんは、出発後2分で独走状態に入った()()()
これだから自転車クラスタは(ry
まあね、私とキャプたんはものすごい鈍足だったからね。仕方ない。
高山側からの道は日陰もなく、人喰谷を思い起こさせる、ずーーーっとまっすぐ登っていく感じの道。
しかも質が悪いのは交通量の多さ。
となりをガンガン自動車が走っていくもんだから精神的にもかなりキた。
速度でないのにふらついたら死ぬという、もうほんとうに勘弁して下さい……
キャプたんはかなり脚にきていたようで、自転車から降りて歩く場面もあった。私も自転車から降りることはないにしても、相当辛かった。


それでも地道に走れば確実に目的地には近づくもので、なんとかかんとか乗鞍スカイラインへの入り口である平湯峠に到着。時刻は17時。
峠へ登ってる途中に峠があるという意味のわからなさ。
ちなみにここまでの道中、小熊を一頭目撃した。くっそ可愛かったんだけど、親熊がいたらキャプたん共々サイケデリックな感じになってしまうので、2人してわけのわからない叫び声を上げて熊よけとした。
野生の熊はさすがに初めて見たな……

さて、じゃあ乗鞍、どうにかクリアしましょうかー!と、スカイラインへの道に。
で、平湯峠の石碑(?)のとこからもずっと見えていたんだけど、なんか一人自転車乗りがいたんだよね。
遠目だったからよくわからなかったんだけど、なんかK2T2ジャージに見えなくもない。
そんな厄介が今この乗鞍に、つむりん以外にもいるとは思えなかったけれど、いくらなんでも彼の脚で未だこんなところにいるはずはないし、待ってるとも思えなかったので人違いだよなあ、とか思っていた。

そしたらめっちょつむりんだった。(゜∀。)

ただ、なんか様子がおかしい。
表情がやばい。憔悴してる。
尋常ではない気配を感じ取ったので最初ケガでもしたのかと思ったのだけれど、どうやら違うもよう。
なんだろうと思って話を聞いてみると、なんとこの道、今いるところのゲートを15時30分までに通過しないと通してもらえず、それ以降は通行禁止になるのだ……!!??!?!?!!!?
15時30分とかとっくに過ぎてる。過ぎ去ってる。
それでつむりん死にそうな顔をしていたのだ。なるほど……
この事実、3人とも知らず、一番早くたどり着いたつむりんでさえ間に合っていなかったというまさかの事態。(つむりんだけは交渉してなんとか通して貰えそうになったらしいのだけれど)
いやはや。
こうなると速度面で足を引っ張りまくりだった私としては申し訳なさでいっぱいに。
もっと速く走れていれば……とか、考えても仕方ないことを考えてしまった。
でもつむりんはつむりんで計画を立てた責任から悔しい思いをしていたようで、そうでなくとも一番乗鞍を楽しみにしていたのだ。
まあ、3人ともしばらく落ち込んでいたと言っていいだろう。
しかも乗鞍の宿(峠を超えた先にある)はすでに予約していて、当日キャンセル料は100%
こいつァなかなかに厳しい状況だぜェ……ちょっとずつ暗くなり始めてるし。
うんうん悩む。ゲートにいた職員のおっちゃんも一緒になって悩んでくれる(このおっちゃんがめちゃくちゃいい人だった)。
しかしこんなときでも、頭では悩んでいても心では「なんとかなるでしょ」と楽観していて危機感も殆ど無い自分に気付き、いい加減な性格をしているなあと内心面白かったりしたのは内緒だ。
20年ちょっとしか生きてきてないけど、いざとなったらだいたいのことはなんとかなるもんだよなーという経験則みたいなのはあった。
で、やっぱりこのときもなんとかなった。私はなにもしてないんだけどねw
結局つむりんがあれやこれやと交渉してくれたりしてくれたおかげで、紆余曲折の末、20時には宿泊場所にたどり着くことが出来たのである。
その紆余曲折は説明がひじょーーーに面倒なため、つむりブログを参照してもらいたい。通称「平湯ワープ」である。_(:3ゝ∠)_
人生、さぼることも大事である。


命からがら辿り着いたお宿で待っていたのは、魂を震わせる、うますぎるごはんだった。
もうね、ほんとうにね。歓喜に打ち震えたせいで写真ブレてるね。
宿にたどり着く直前にハンガーノック寸前になっていたりした私。ごはんが食べられるってことはこんなにも有難いことなんだって心の底から思った。
そんな経験、日々をただなんとなく過ごしているだけでは得られない。自転車を通じて得難いものを得ていると実感した。

そしてしっかり温泉まであった。ビビるくらい強烈な硫黄化合物の臭い。
常に換気しないと死ぬ。
でも最高に気持よかった。男3人で洗いっこした。冷静に考えるとかなりアブナイ。

お風呂の後には外で星を眺めた。
玄関でわけのわからない白い生き物が襲いかかってきた気もするけど、気にしてはいけない。(きっとキャプたんが詳しく記事にしてくれる)
さすが山の上、星が綺麗だ。この宿だって標高1400m弱の場所なのだ。もう感覚がよくわからないけれどわりと高地である。
ひさしぶりに天の川を見た。
一応これでも元天文部員。普通の人よりは星座も知っているし、アンドロメダ銀河の位置だって自分の目と知識だけで探せる。
短時間だったけれどものすごく堪能した。やっぱり星はいい。

部屋に戻って寝る準備。
明日また改めて乗鞍に挑むというつむりん。
私とキャプたんも、そうしようかなあと思いつつも、この日があまりにも過酷だったため即断できないw
ま、明日のことは明日起きてから考えればいいやーってことで、とりあえず寝る。
朝から晩まで本当に濃密な1日だった。こんな1日なかなか味わえるものではない。
無事にこうして布団で寝られてるわけだし、終わりよければすべてよしってわけで、満足しながら眠りについたのだった。


■3日目 ~乗鞍→松本~
<概要>
今回のツーリング最終日にして、乗鞍リベンジの日。
松本側にあるお宿から乗鞍峠へ登り、やっほいして折り返し、松本へ下る。松本から輪行で帰宅。

むくり。毎日違う天井が見える。
このときは何で起きたんだっけな。自分でアラームかけてたような気がする。
この旅で初めて、私が起きたときにつむりんが寝ていた。珍しいこともあるものだ。
まあ、例によって一度も目覚めること無く爆睡していたので、明け方のことは知る由もない。


うひょぉおおおおおおおおおおおおおおお
これ朝ごはんだぜ!?
最強じゃねーか……幸せすぎる。
毎日こんな朝ごはん食べられたら世界一幸せな人生と言っても過言ではないだろう。
昨日の夕食に引き続いて、とても美味しい。全部美味しい。
体に不調は見当たらないし、これなら乗鞍リベンジ行けるな!と思った。

お宿出発。
宿泊費8000円だったのだけれど、よく見るとお財布の中に2000円しかない(!)
近くにATMなどあるはずもなく、完全にやらかした格好である。
コンビニに寄ったらお金下ろさなきゃなーと思いながら走ってはいたんだけど、寄ったのがすべてデイリーヤマザキだったという……
どうしようもないのでつむりんに建て替えてもらった。スライディング土下座しそうになった。本当に申し訳ねえ……
※執筆時点では返済済みです。

乗鞍、登る。果てしなく登る。
とは言っても、そもそものスタート地点が高いところだったので、峠までは1300mちょい登るだけでよかったのは助かった。(もはや標高に関する感覚が麻痺)
つむりんは当然単独で先行する。
「頂上で会おう!」と言い残し、信じられないスピードで駆け上がっていった。こわ。
でもすごい楽しそうだったw

私とキャプたんは相変わらずノロノロと登ることしかできない。
けど布団でぐっすり眠れたおかげで体調は良好だし、なにより天気が良くて眺めが抜群にいいのだ。
辛さよりも気持ちよさの方が上回っている。
序盤は斜度もキツくないし、温存しながら走れたと思う。
途中、マイカー規制のためのバスのりばで休憩。ラムネがあったので思わず買って飲んだ。うますぎる。

バスのりばから先、斜度がキツくなる。予想はしていた。
でも脚は問題なく回るし、いつものようにダンシングでよいしょよいしょと登ればこわくない。
地道によいしょよいしょ……たまに羊羹食ったり。もうハンガーノックはごめんだ。
しかしそうやって登れたのも、標高2000m付近からは様子が変わる。
こんな高地は初めて走ったわけだけど、もう、明らかに空気が薄い。
どんなに呼吸しても酸素が足りてない感じがする。心拍数も急上昇。
筋肉にも脳みそにも酸素不足を感じる。もともと貧弱な心肺機能しか持ち合わせていない私にこれはキツい。
本当に気をつけないとまずいぞ。
ペダルを回すことよりも呼吸することに意識を集中する。
呼吸というのは吸うことよりも吐くことの方が重要なんですよーなんて、昔どこかで聞いた覚えがあった。
それを実践する時だーと思ってやってみたら、いやはやこれがね、確かに楽になるんだな。
できる限り呼吸を乱さないようにしながら一定のペースで登る。相当キツいけど、なんとかなりそうだ。


あそこが頂上か……!
最後の休憩地点。山荘があった。
道の脇には川の水を引いてきた給水ポイントもあって大助かり。
山の上の水、まさにミネラルウォーター。冷たいしめちゃくちゃ美味しい。


それにしても乗鞍、景色が日本ではないみたいだ。
ついに森林限界を突破してからというもの、すげー!すげー!みたいな感想しか出てこなくなったw
これが見れたら、そりゃあ登っちゃうよなあって納得する美しい眺望だった。苦労して来た甲斐があったなあ。



そしてついに踏破!!!時刻は12時過ぎ。
標高2700mオーバー。
登ってる時は「なんでこんなことしてるんだ」って思うけど登ってしまうと楽しかったことになっているから恐ろしいのだ。
やれやれ。

ちなみに、一般的に言って標高が100m上がると気温は0.6度下がる。
2700mともなれば下界とはまったく気温のベースが違って、このときも16℃くらいだったはずである。
もうウィンドブレイカーを着ないと寒い。でも日差しは逆に強いから日向ではすごいジリジリする。
えらいところに来てしまったんだなあ。

「頂上で会おう!」と言っていたつむりんを探す。
………………
………



いない!

私とキャプたん二人がかりでいくら探しても、本人もCOLNAGO C50もどっちも見当たらない。
しかもケータイの電波も繋がらない()
Twitterでリプとか、電話もかけられないし、詰んだ。
どこ行ったんだと悩んで見上げる先には、道路より上にある頂上。
自転車は通れない砂利道みたいなところだけど、まさかあの上にいるんじゃないよな……?
たしかにつむりんは「頂上で会おう」と言っていた。この場における「頂上」と言ったら、まあ、あそこだよな……
でも登り口のところにも自転車はないし、いくら厄介だからといっていくらなんでも自転車担いであそこには登らないよね……?
いやつむりんのことだから何するかわかんねえぞ()
とかいろいろキャプたんと話しながらも、結局見つからない。
もしかしてもう下山したのかなあと思ったけれど、もしどこかで待っていたら、せっかく待ってくれてたのにそれを置いて帰るわけにもいかないし、うーん困った。

で、この時なんとなくもう一回iPhoneを見てみたら、かろうじて電波が入ってる……!
さっそくTwitterを開いてみる。

……

@Urthr_7 @kamosio157 おつおつ!いま山頂だよん。私高山に下って富山に向かうよ。というわけでさらばだー。気をつけてー
 posted at 12:06:51

あぁ^~

いなかったよ/(^o^)\
時刻からしてギリギリ入れ違いだったようだ。

でもこのポストどうやってしたんだろう?と新たな疑問が。
つむりんとキャプたんのケータイキャリアは同じソフトバンク。
auの私はかろうじて電波入ったけど、キャプたんのは依然圏外のまま。どういうことだってばよ!
何が起こったんだと不思議だったけど、まあ、次の行動に移れるようになったのでいいかーと。
(この謎の真相はつむりブログにて明らかにされている!)

ちなみに乗鞍山頂ではおにぎりを食べた。
このおにぎり、実は昨夜泊まったお宿の朝ごはんに出てきたお米の余った分を頂いて、つむりんが握ってくれた代物なのだ!
塩が効いていてうまい。
こんな素敵なところで食べるおにぎりがうまくないわけない!つむりんありがとう!お宿の方も快く分けてくださってありがとう!
最高の昼食でした。

あんなに苦労して登ってきた乗鞍も、下りはあっという間。
キャプたんと共に松本へと向かう。
ここはもうひたすら走った感じ。


夕方の早い時間には松本駅に着いたかな。
一応、ここがゴールである。
お腹もすいていたので、松本からあげセンターへ向かい、山賊焼きを食べた。私はたぶんこれで3回目かなw
ボリュームあって最高にうまいよ。

キャプたんともさよならバイバイして、輪行にて帰宅。
この4日間、濃密すぎて体感的には1ヶ月くらい経った気がした。誇張でもなんでもなくて、ホントにそう感じるくらいの濃さだった。
自宅の久しぶり感はんぱない。
やりとげたなー、という達成感と満足感がいっぱいだった。


■ツーリングを終えて
今回はいろんな人にお世話になった。
一緒に旅をしたつむりんとキャプたんはもちろん、こーへーさん、お宿のおっちゃんおばちゃん、ゲートのおっちゃん、平湯ワープのおっちゃん……おっちゃん多い。
会う人会う人みんな優しくて、すごく助けられたなと思う。ありがとう。
今回のツーリングの主催者であるつむりんには感謝してもしきれないくらい。
いっぱい迷惑かけたと思うし、まったくペースの違う私によく合わせてくれたなと正直感心する。
キャプたんも最後まで一緒に走ってくれて精神的にとても助かった。ありがとう。

なにもかもひっくるめると、最終的に「ありがとう」に集約するよなあ、と旅をすると思う。
人ばかりじゃなくて、景色とか食べ物にもありがとう、と自然に思える。
それに今回も本当に楽しかった。一生の思い出になったと言っていい。
登りは当然辛かったけど、終わった後に振り返ると楽しい事しか印象に残ってない。いつものことだ。
これだからまたどこか行きたくなっちゃうんだろうな……キツいとわかっていても。やれやれ。

私はまだ走ったことないところだらけだし、日本国内だけでも当分は楽しめそうだ。
次の旅も今回に負けないくらい楽しくなればいいなーなんて思います。

おわり。