瞼が半分どころか3割しか開いてない状況でやってみるという面白さ。
なんにも考えずに書き始めて、全部その場の思いつきだけで書いてみるという実験。
というか眠すぎて深く考えられないだけの話ではありますw
で、その結果を
頭働いてないので酷いことになってても気付けないんで、あとで寝たあとに読み返すと穴を掘りたくなるかもしれませんw
まあそのときはそのときです。
れっつとらーい。
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暑い。
暑くてたまらないと思った。
セルゲイは暑くてたまらなかった。
もう外はこんなに暗いのに、何故こんなに暑いのか、そして何故こんなに湿度が高いのか、セルゲイにはわからなかった。
じっとりと汗をかく。
かれこれ8時間は列車に乗っているだろうか。それでもなかなか終点には至らなかった。
列車に空調設備はあるが、どうやらこの国では電力が足りていないらしい。大停電を避けるため、極力電気は使わないようにしているらしかった。
セルゲイの知識では、この暗くジメジメとした国は豊かな先進国であったはずだ。それがなぜこんなことになっているのか。それは電気のことだけではなく、この纏わり付くような昏さにも言えた。
数年前に起きた大きな地震だけが原因ではないように思われた。
汗が気持ち悪い。
ふと気がつくと、セルゲイは自分が居眠りをしていたことに気がついた。ガタンと揺れて気がついた。
列車はいつの間にか、終点を間近に控えていた。
車窓から覗くと、空は薄明の頃だった。東にはプレアデスが顔をのぞかせている。故郷ではもっと南から低く昇ってくることを思い出し、ずいぶんと遠くへ来たことが実感された。
そしてそこになにか期待のような、淡い気持ちが生まれていることを、セルゲイはこの国に来て初めて感じていた。
終点は「クマモト」と言った。
長い旅路の終着点は、何の変哲もない地方都市に見えた。
しかし同時にセルゲイは、この地に言い知れぬ力のようなものを感じていた。それが何なのか、確かめてみたいと思った。
長い旅路だった。
夜明けの街は、何かを始めようとしている。
人々は動き始める。
エネルギーが、静かに巡る。
歩きながら感じた。この街は、なにか違う。
セルゲイは長旅の疲れも忘れ、歩いた。信じられないくらい歩いた。
そうしてやがて、街を離れ、緑を掠め、山を越えた。川も越えた。
ひどく田舎だった。
もう2日は歩いたはずで、セルゲイの脚は休ませろと訴えている。
珍しく、本当に珍しいことに、セルゲイは願いを聞き入れた。
「しばらく休もう。」
公園があった。
公園とはいっても遊具の類は朽ちたブランコくらいのもので、その他にはベンチしかなかった。
いや、まだあった。
ちがう、いた。
ベンチに何者かがいた。
何者かは、とても不思議な空気をまとっていた。
まだ少しあどけなさが残っている、女の子。
一回りくらい年下ではないかと、なんとなく思った。
彼女はベンチに腰掛け、穏やかな表情でどこかを見ていた。
セルゲイはゆっくりとその女の子へ近づいていった。
「こんにちは。」
声を発したのは女の子だった。
どこかを見たまま、微笑んで、そしてセルゲイに発した。
もう距離は5メートルほどにまで近づいていた。
「こんにちは。」
セルゲイはいつこの国の言葉を覚えたのか、憶えていなかった。
憶えていなかったが、それはとても重要で、なにか世界を揺るがすような錯覚すら覚える。
しかしそれどころではなかった。
5メートル先には、女の子がいた。
女の子は、「さえ」と言うらしい。
それが姓名どちらなのかはわからなかったが、セルゲイにはどちらでもいいことだった。彼女はさえなのだから。
ベンチには二人分の背中があった。
風が吹いている。
さえの持つ空気は、穏やかで、静かで、強く、寛容だった。
セルゲイは、彼女には許してもらえそうな気がした。
なにを許してもらえるのかはよくわからない。覚えていない。気づいていない。
長く話した。
空が茜色になる頃、さえは帰った。
セルゲイは、帰ることが出来たと思った。
そうして二人は、帰結した。
セルゲイの脚は、明日も歩けると、そう言っていた。
むしろ、走れそうな気がした。
さえは強かった。
明日はなにが待っているだろう。
これでまさかの1/4章なので、今後発展する可能性が残っているというw
なにも考えてないけどw